2013年10月17日木曜日

「大草原の小さな家」①



前回フリーマーケットで買った「大草原の小さな家」シリーズですが、テレビドラマも放送されていたのでご存じの方も多いのではないでしょうか。 これは私が小中学生の頃に好きでよく読んでいた本なのです。(ちなみに私が読んでいたのは講談社の「青い鳥文庫」)
昔、私の母のヒッピーのお友達で開拓者のようなコミューン生活みたいなのをしていた方は、いつか家の本棚にシリーズ全巻を揃えるのが夢だったとか。 母も父の転勤生活が終わったら揃えたいと思いながらもそのままだったようです。

私の好きな西部劇と同じ国と時代ながらも、まるで対極のような生活がそこにはあります。銃は熊を倒したり食糧にする狩りのため。馬は基本馬車用で、出てくる動物は家畜である牛の方が断然多い。麦、野菜、魚は自給自足だけど、お砂糖や紅茶は町に出た時にのみ手に入る貴重なもの。天災で農作物が取れない年は、父さんが歩いて200マイル(…がどれくらいだかわからないのだけど)離れた町まで行き、製材所や脱穀の仕事などをします。それでもいつもこのインガルス一家は丁寧に生活をしています。おうちはいつもピカピカに磨かれチリひとつなく、カーテンはよく洗いのり付けされて、ベッドはいつも藁のいい香りをさせています。数少ない娯楽といえば父さんが夜弾いてくれるバイオリン。そして聖書の言葉とともに志し高く生きていく家族。

母が私に「戦後は本当に物が無かったのよ!」と言っても(そうは言ってももう昭和20年代も後半だから本当に物がない頃は知らないと思うんだけど…)、ピンとこなかったのですが、これを読むと「物が無い」「お金が無い」ということが肌でわかるようです。それでも決して心は貧しくないところがこの物語が時代や国を超えて大切にされる理由なのでしょう。

アメリカの出版社のHPで初めて知ったのですが、今年はこのシリーズが出版されて75周年だとか。カラー版の「大草原の小さな家」が出版されるそうです。上の挿絵は、私が一番好きだった教会のクリスマスの場面です。