2015年12月18日金曜日

蓋付き丼鉢





仕事でキーーッとなった日はよくランチに鰻をはり込んで食べるのですが、その日は鰻の気分ではなかったのでお蕎麦屋さんへ行きカツ丼を注文しました。
出てきたのはお重ではなく蓋付きのおどんぶり。運ばれてくるなり2枚目の写真「東京物語」の大好きなシーンを思い出しました。(未亡人の原節子が義理の両親を自分のアパートに招待して「美味しくないでしょうけど」と言って出前でとったカツ丼だか天丼だかをすすめる場面)私の育った家はいっさい店屋物というものをとらなかったので、この日、蓋付きの丼鉢というものが何せ物珍しく映り、「東京物語」を連想してしまったのでした。
ついでにちょっと話は違うのですが、「東京物語」で珍しく思ったのが、3番目の写真のお葬式の後に料亭のような所でご飯を食べる一家の場面。お櫃のそばに蓋付きの空のご飯茶碗がお盆にたくさんのって並んでいます。末っ子の香川京子さん(一番右)が家族からたのまれてご飯をよそうんですけれど、お茶碗の蓋をとってご飯をよそって蓋をせずに小さい別のお盆にのせて相手に渡すんですよ。「これって何のためにお茶碗に蓋がついてるんだろう…?」といつも思いながら見ています。我が家はお酒を飲む人がいないからご飯を後から出す習慣もなかったし、何度見てもなんだか不思議な光景です。