2009年11月16日月曜日
さよなら 浜田寅彦
昨日は、先月15日に亡くなった俳優座の浜田寅彦氏のお別れ会でした。
勿論、面識もなかったし、彼の芝居も実は1回しか観たことがなかったのですが、それでもそれが忘れがたい舞台だったので、ワインを持って、お別れ会の会場である六本木の「俳優座劇場稽古場」へ出かけました。お別れ会には知りあいの役者さんが来ていなかったので、ワインを置いて早々に退散したのですが…
俳優座公演の「かもめ」のソーリン。
ちょうど10年前に観たチェーホフの「かもめ」で私はこの作品が好きになり、どこぞの劇場で「かもめ」が上演されていると、いそいそと観に行くようになりました。ロシア人キャストのものも含め、5~6本は観たかな?
彼の役は青年トレープレフが可愛くて仕方がない伯父さん役。このトレープレフ(田中壮太郎氏)を可愛がる様子が、とても愛情に溢れてて素敵でした。私が観た「かもめ」の中で一番優しくて、親密な感じのするソーリンだった。多分それは、劇団の公演ならではで、普段から田中君をとても可愛がっていたんだと思う。そういうのがにじみ出てた。
90歳でなお現役だった浜田寅彦。大往生とはいえ、あの車椅子に座りながら愛おしそうにトレープレフの手を取っていたソーリンの姿を思い出し、亡くなったのかと思うと胸がキリキリします。
天国でもどうぞ、天下一品のおじいちゃん役を演じてください!!