2012年2月27日月曜日
こまどり姉妹
「こまどり姉妹」。
ピンクレディーの延長線上にいる人達として、小学生の頃からなんとなく気になっていたデュオでしたが、ドキュメンタリー映画「こまどり姉妹がやって来る ヤァ!ヤァ!ヤァ!」(2009年)のヒットで、最近テレビでよく見かけます。
そんな「こまどり姉妹」が蜷川幸雄演出の「ハムレット」に特別出演するというので、こんなチャンスはきっとこれが最後だろう!と、はるばる埼玉まで観に行きました~~!!あと、先月観た柄本明演出の東京乾電池公演「ハムレット」があまりに面白く、また台詞のひとつひとつが素晴らし過ぎて、「『ハムレット』ってなんて名作なんだろう!!」と今更ながら感動したから。
残念なことに、お芝居はイマイチ私には合わなかったのですが、出演者の平均年齢が25.6歳という若手だけの芝居の中(しかも舞台は17世紀頃のデンマーク王家)に、いきなりこまどり姉妹が登場することによって、突然異次元へ連れて行かれる感じは面白い体験でした。舞台の上の登場人物達は皆苦しみ、また私よりも若い役者さん達が(きっと色々なことに悩んだり苦しんだりして)健闘している中で、辛酸を舐めてきた73歳のこまどり姉妹が「♪意地をはっても心じゃ泣ける、自分に嘘はつけないさ、幸せに幸せになりたいの♪」と派手な着物と厚い化粧で歌う姿は、なにやら天上から降りてきた神様の使いのようでした。唐突なようで恐ろしく芝居と融合してるし、芝居上にもう一つの視点をおいてくれる不思議な存在としてちゃんと成り立ってる!!こういうことができる手腕を見せられると、「世界のNINAGAWA」と呼ばれているのも納得です。
シェイクスピア四大悲劇の一つである「ハムレット」なだけに、救いの少ないラストであるにも関わらず(今回の演出は特に衝撃)、こまどり姉妹の出演で、明るいとまでは言えないまでも、妙にフワッと希望の残る不思議なトーンで終わるお芝居でした。3月1日まで。