2009年12月1日火曜日

鎌倉文学館-三島君の手紙-



土曜日は、H.O嬢からお誘いいただいて(岡ひろみじゃないよ!!)
鎌倉文学館へ行って参りました…
鎌倉ゆかりの文学者たちの手紙をテーマとした展示だったのですが、
「私」の手紙というのは「公」の小説を読むより、もう断然面白い!!

もう、どうにもこうにも、作家達の「人となり」が出てしまいます。
しかも文学者という「言葉のプロ」だから、手紙がうまいうまい。
中でもウハウハしてしまったのが、この三島由紀夫が芥川賞作家の
清水基吉(私は読んだことなかった)に宛てた手紙。
・・・・・・・・・・・・・
何か完璧な仕事をしたい、秋らしい澄明な空を見ても考へるのはそのことばかりです。「完璧」なんて思想は今どきはやらないでせう。しかし思想といふものは、はやらない時ほど美味なものです。僕は大喰ひではないですが、美食家であることは自任してゐます。失礼な推察を逞しうすれば、貴下も美食家の御一人ではないでせうか。
・・・・・・・・・・・・・
数ある素晴らしい書簡の中から、なんでこれだけ写してきたのか、自分でもよくわからないのですが…。でも、この「美食家であることは自任してゐます」とか「御一人ではないでせうか」とか!!
何様?俺様?三島様!?キミちゃん!!
なんであなた、7歳も年上の芥川賞作家に対してまでそんなに上から目線なの!?「あなたはなかなか話のわかる人だね。こちら側(どちら側やねーーーん!!)に入れてあげてもいいよ」みたいな!?

ツッコミどころ満載の三島の手紙!大好き!!
それでも他の手紙には、私なぞ想像もつかないようなストイックさ謙虚さで、文学・精神もろもろのことに精進していたであろうことが、胸に迫るほど伝わってくる物もありました。(それでも俺様精神なんだけどねー。)
三島よ、あなたにはあなたの著作以上の魅力があり過ぎる。
(色んな意味で)